タタルキエビチ(読み)たたるきえびち(英語表記)Wladyslav Tatarkiewicz

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タタルキエビチ」の意味・わかりやすい解説

タタルキエビチ
たたるきえびち
Wladyslav Tatarkiewicz
(1886―1980)

ポーランド哲学者美学者。ワルシャワに生まれる。1905年学生運動に参加してワルシャワ大学を追放され、その後チューリヒパリなどで学ぶ。1910年アリストテレス研究によりマールブルク大学で博士号取得。同年ルボフ大学教授、1915年にはワルシャワ大学の哲学教授となる。1947年ポーランド学士院院長、1960年国際美学会委員に選出され、没するまでこれを務めた。哲学史および美学史大著Historia filozofii, 3vols., 1931, Historia estetyki, 3vols., 1960~1967,英語版History of aesthetics, 1970~1974)で国際的に著名である。多年のアリストテレス研究は美学および倫理学問題を主として扱い(Les trois morales d'Aristote,1931)、また、価値についての反省を基にして幸福論(O szczesciu,1948)を著し、美と芸術に関する諸概念の研究(“What is Art? The Problem of Definition Today”,British Journal for Philosophy,1971)を展開した。

[尼ケ﨑紀久子 2015年11月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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