タマリンドノキ(読み)たまりんどのき(英語表記)tamarind

翻訳|tamarind

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タマリンドノキ」の意味・わかりやすい解説

タマリンドノキ
たまりんどのき
tamarind
[学] Tamarindus indica L.

マメ科(APG分類:マメ科)の常緑高木。1属1種で北アフリカまたは熱帯アジアの原産といわれる。高さ約20メートル。葉は偶数羽状複葉で、小葉は20~40枚で楕円(だえん)形、長さ1.5センチメートル。5~9月、総状花序に10個内外の花をつける。花は2弁が退化して3弁からなり、径約2.5センチメートル、黄色地に紫紅色の線紋がある。豆果は幅2.5センチメートル、長さ15センチメートル。外果皮は灰褐色で薄く、中果皮は深褐色、粘質状で厚く、中に10個ほどのやや扁平(へんぺい)な黒い種子がある。2~4月に熟すが莢(さや)は裂開しない。未熟果を塩漬けとして食べ、酸味の強い果実からは酢をつくる。中果皮はタマリンドパルプとよばれ、熟果のパルプ部は甘くて酸味があり、生食のほか飲料、調味料、薬用(整腸剤)などにする。大果で酸味の少ない乾果専用の品種もある。街路樹にもされ、材は暗褐色用材となる。繁殖は挿木のほか、接木(つぎき)、実生(みしょう)でも行われる。

[飯塚宗夫 2019年10月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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