ターボファンエンジン(読み)たーぼふぁんえんじん(英語表記)turbofan engine

精選版 日本国語大辞典 「ターボファンエンジン」の意味・読み・例文・類語

ターボファン‐エンジン

〘名〙 (turbofan engine) 大型航空機用エンジンの一種ジェットエンジン前面に取り付けたファン空気を圧縮し、一部タービン燃焼に利用し、残りはファンノズルから直接大気中に噴出させて推進力を得る。

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デジタル大辞泉 「ターボファンエンジン」の意味・読み・例文・類語

ターボファン‐エンジン(turbofan engine)

航空機用エンジンの一。ジェットエンジンの前面に取り付けたファンで空気を圧縮し、一部をタービンの燃焼に利用し、残りはファンノズルから直接大気中に噴出させて推進力を得る。大型航空機に使用

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百科事典マイペディア 「ターボファンエンジン」の意味・わかりやすい解説

ターボファンエンジン

ジェットエンジンの一形式。圧縮機駆動用タービンを出た燃焼ガスで,さらに別のタービンを回転させ,得られた動力で大口径の軸流圧縮機(ファン)を駆動する。ファンで圧縮した空気は燃焼室を通ってジェットノズルから噴出されるものと,ファンノズルから直接噴出されるものとに分けられ,両者が合して後方から噴出し推力を得る。ファンノズルから噴出される流量と燃焼室を通って排出される流量との比をバイパス比といい,輸送機などの高亜音速機では高バイパス比のものが,戦闘機などの超音速と高亜音速の両方を飛行するものでは低バイパス比のものがアフターバーナーを付けて使われている。
→関連項目ジェットエンジンジェット機C17グローブマスターIII輸送機巡航ミサイル

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ターボファンエンジン」の意味・わかりやすい解説

ターボファンエンジン
たーぼふぁんえんじん
turbofan engine

航空機用タービンエンジンの一種。ターボジェットエンジンのタービン部にタービンを増設して、排気ガスのエネルギーを吸収させ、そのエネルギーでエンジンの前側(まれには後ろ側)に設けたファン(風車)を駆動し、ファンで圧縮した空気の一部をそのまま側路(バイパス)を通してエンジンの後方へ直接噴出させ、残りの一部をエンジン内部に導いて燃料と混合して燃焼させる。大量の空気を比較的低速度で噴出させることで推力を得る形式なので、遷音速での飛行に適し排気騒音が小さく燃料消費率も優れており、民間機用のエンジンには好適とされている。なお、ファンで圧縮され側路を通して排出される空気と、エンジン内で燃焼排気されるガスとの重量の比をバイパス比bypass ratioといい、初期のターボファンでは1.7対1程度であったが、最新の高バイパス比の大出力(最大離陸推力20~25トン)のエンジンでは5対1以上になっており、大きさの割に大きな推力が得られるので、ジャンボ機のような超大型機の実現に大きく貢献した。

[落合一夫]


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世界大百科事典(旧版)内のターボファンエンジンの言及

【ジェットエンジン】より

…ガスタービンで発生させた動力を定常流動している作動流体の運動エネルギーの増加として取り出し,その際流体を加速する力の反力として直接に推力を発生する形式のエンジン。定常流動定圧燃焼ガスタービンの一種であるターボファンエンジン,ターボジェットエンジン,ラムジェットエンジンと,間欠流動定容燃焼ガスタービンの一種であるパルスジェットエンジンに分けられる。広義にはガスタービン系航空エンジンを総称してジェットエンジンということもあり,この場合にはガスタービンで発生した動力を軸動力として取り出し,それによってプロペラを駆動して推力を発生するターボプロップエンジン,ヘリコプターの揚力や推力を発生するローター(回転翼)などを駆動するターボシャフトエンジンを含める。…

【飛行機】より

…人間が乗って空気の中を飛ぶ乗物を総称して航空機といい,その中で,ジェットエンジン,プロペラなどの推進装置の力で前進し,その際,固定翼(回転したり,羽ばたいたりすることのない翼)に生ずる動的な上向きの空気力,すなわち揚力によって自分の全重量を支えて飛ぶものが飛行機である。航空機には,飛行機のほか,推進装置のないグライダー,回転翼の揚力を利用するヘリコプター,空気より軽いガスをいれた袋に働く空気の静浮力を利用する気球,飛行船などいろいろの種類がある。…

※「ターボファンエンジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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