ダニエル(John Frederic Daniell)(読み)だにえる(英語表記)John Frederic Daniell

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ダニエル(John Frederic Daniell)
だにえる
John Frederic Daniell
(1790―1845)

イギリスの化学者。1813年王立協会会員、1831年キングズ・カレッジ化学教授。1836年ボルタ電池を改良し、最初の実用的な二液式電池であるダニエル電池発明した。その後ミラー共同で、電解槽中隔膜によって分離された両電解質溶液の濃度をそれぞれ測定する実験から、1844年に正・負イオンの移動する能力に違いがあることを確かめ、それを説明するために上下二つの正・負イオンの列が互いに半当量ずつずれていくという電気分解機構に関するモデルを提唱した。これはその後の電気化学研究、自由イオン説への理論的出発点をしるすものであった。露点温度計の発明もある。

[宮下晋吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android