日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ダニエル(Yuriy Markovich Daniel')
だにえる
Юрий Маркович Даниэль/Yuriy Markovich Daniel'
(1925―1988)
ソ連の小説家、翻訳家。イディッシュ語で書くユダヤ人作家の息子として生まれ、対独戦に従軍、負傷。モスクワ師範学校卒業後一時教員生活、のち詩の翻訳に専念。『こちらはモスクワです』(1961)、『贖罪(しょくざい)』(1963)などの短編をシニャフスキーと同じルートで西欧へ流しニコライ・アルジャクの筆名で発表。1965年シニャフスキーとともに逮捕され、翌年5年の重労働に処される。公判では罪の一部を認めたが獄中でこれを撤回した。88年12月30日死去。
[青山太郎]
『内村剛介編、染谷茂訳『現代ロシヤ抵抗文集第2 こちらはモスクワです』(1970・勁草書房)』