日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェスター(イギリス)」の意味・わかりやすい解説
チェスター(イギリス)
ちぇすたー
Chester
イギリス、イングランド北西部、チェシャー県の県都。リバプールの南約25キロメートル、ディー川の下流部に位置する。人口11万8207(2001)。ローマ軍の駐屯地を起源とする古い町で、その遺跡がある。また中世の町並みがよく保存されていることで知られ、市壁に囲まれた旧市内には多くの史跡や歴史的建造物が残る。イギリス最大規模のローマ劇場跡、10世紀に補強築造された市壁、14世紀のおもかげをとどめるロウズRowsとよばれる2階建てアーケード街、10~11世紀起源の大聖堂などが主要な建造物。これらを目的に内外から訪れる人が多く、観光業は経済的に重要性をもつ。グロスビーナー博物館には、当地の古代、中世の資料が豊富である。電気部品、塗料など若干の工業もある。
[久保田武]