チェンバレン(Owen Chamberlain)(読み)ちぇんばれん(英語表記)Owen Chamberlain

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

チェンバレン(Owen Chamberlain)
ちぇんばれん
Owen Chamberlain
(1920―2006)

アメリカの物理学者サンフランシスコの生まれ。ダートマス大学を卒業後、1941年カリフォルニア大学大学院に入学した。1942年より原子爆弾製造のマンハッタン計画に参画し、セグレのもとで原子核の自然崩壊などの研究に従事した。1946年よりシカゴ大学でフェルミの指導のもとで研究を続けて、博士号を得た。1948年よりカリフォルニア大学で教職につき、そこでセグレらと陽子‐陽子散乱の広範囲な研究を行った。同大学には、反陽子をつくりだすことを目的として建造されたベバトロンとよばれる陽子加速器があり、彼らはそれを利用して反陽子を実験的に発見し(1955)、1959年、セグレとともにノーベル物理学賞を受賞した。なおパーキンソン病に侵されながらも2000年に行った口述筆記のなかで、オッペンハイマーらと行ったマンハッタン計画、さらに日本における原子爆弾の使用にも触れていた。

[佐藤 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android