チオシアン価(読み)チオシアンカ

化学辞典 第2版 「チオシアン価」の解説

チオシアン価
チオシアンカ
thiocyanogen value

ロダン価(rhodan value)ともいう.油脂またはろうの試料100 g に付加するチオシアン(ロダン)(SCN)2 の量を,これと等モルヨウ素 I2質量(g)の値で表したものをいう.不飽和結合に付加するヨウ素とチオシアンの量(mol)は必ずしも同じではなく,たとえば,付加するヨウ素とチオシアンとの比は,オレイン酸に対しては1:1であるのに対し,リノール酸では2:1,リノレン酸では3:2である.このことから,ヨウ素価とチオシアン価との差が大きいほどリノール酸やリノレン酸を含んでいることになり,油脂中のオレイン酸,リノール酸,リノレン酸および飽和脂肪酸などの含有量を知ることができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android