チチブミネバリ(読み)ちちぶみねばり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チチブミネバリ」の意味・わかりやすい解説

チチブミネバリ
ちちぶみねばり / 秩父峯榛
[学] Betula chichibuensis Hara

カバノキ科(APG分類:カバノキ科)の落葉低木。若枝には密な軟毛がある。葉は卵形で長さ3~6センチメートル、側脈は14~18対、縁(へり)には鋸歯(きょし)がある。雌雄同株。4~5月に開花する。花序は円柱形で直立し、堅果は卵形で長さ2~3センチメートル、ほとんど翼がない。秩父(ちちぶ)山地北上(きたかみ)高地などの石灰岩地に生える。

[菊沢喜八郎 2020年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のチチブミネバリの言及

【石灰岩植物】より

…たとえば,キバナコウリンカやチチブイワザクラは秩父地方,カワラウスユキソウやシライワコゴメグサは南アルプス,イワヤクシソウやヤマトレンギョウは阿哲地方,ヤハズマンネングサは高知県にそれぞれ固有である。また,チチブミネバリは北上山地と秩父地方に,キンモウワラビやイワツクバネウツギは本州・九州間の各所に分布する。【清水 建美】。…

【石灰植物】より

…分布のしかたからみて,石灰植物にはイチョウシダ,クモノスシダのように石灰岩地帯には広く分布するが,それ以外ではみられず,石灰岩地帯に限られるものと,イワシデ,ヤマシャクヤクのように石灰岩地帯に多いが他の母岩にもみられるものがある。石灰植物のうちトダイハハコ,シライワコゴメグサなどは近縁植物とは変種程度の差しかなく石灰岩地帯で比較的新しく分化したものと考えられるが,チチブミネバリのように近縁植物がみられないものは分化が古いと考えられる。 好石灰植物や嫌石灰植物が存在する要因としては,次のようなものが考えられている。…

※「チチブミネバリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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