チャミノガ（読み）ちゃみのが

日本大百科全書(ニッポニカ)

チャミノガ
ちゃみのが / 茶蓑蛾
[学] Eumeta minuscula

昆虫綱鱗翅(りんし)目ミノガ科に属するガ。雄のはねの開張23～26ミリメートル。体は黒色で褐色毛を密生している。はねは暗褐色、前翅の翅脈上は黒く、外縁は白紋がある。幼虫はミノムシで、きわめて多食性。チャ、そのほか各種の樹木や低木に寄生し、多発するとかなりの被害がある。蓑(みの)は周囲に小枝をつけ、きわめてじょうぶにできている。雌は蓑の中で羽化し、産卵後その中で死ぬ。7、8月に卵から幼虫となり、秋に蓑の上端を枝に固着させ、開口部を閉じて越冬し、翌春ふたたび口を開いて摂食し、5月ごろ蛹化(ようか)する。成虫は6、7月に羽化する。雄は活発に飛び、蓑に入った雌に到達して交尾を遂げる。本州、四国、九州、対馬(つしま)、台湾、中国に分布する。

［井上　寛］

ミノガのおもな種類〔標本写真〕

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内のチャミノガの言及

【ミノガ(蓑蛾)】より

…雌はみのの中で羽化し，産卵後その中で死ぬ。次に大きなチャミノガE.minusculaの翅の開張2.5cm前後，みのの長さ2.3～4cm。小枝や葉柄を縦に密着させた不規則な円筒形のみのをつくる。…

※「チャミノガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」