チョントー(成都)特別市(読み)チョントー(英語表記)Chengdu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

チョントー(成都)〔特別市〕
チョントー
Chengdu

中国西南地方,スーチョワン (四川) 省の省都。スーチョワン盆地西部のチョントー平原にあり,チョントー市区と1市 11県から成る。肥沃な土壌と温和な気候に恵まれて早くから開け,秦代に蜀郡の治所,後漢では益州の治所,三国時代には蜀漢の国都,五代には蜀の国都となっている。明,清では成都府で四川省の省都。絹織物で知られたが,典型的な消費都市であった。人民共和国成立後,重工業区,軽工業区,化学工業区,文化教育区,公園緑地区,商業住宅区に区分され,広い街路が建設された。工業地区には火力発電所のほか,製鉄,精密機械,トラクタ,電機,化学,綿紡織コンビナート,絹織物などの近代的工場がある。文教地区にはスーチョワン大学をはじめとする高等教育機関があり,西南地方の文化センターとなっている。鉄道はパオチョン (宝成) 線,チョンクン (成昆) 線,チョンユイ (成渝) 線が集り,北西方のトーチヤンイエン (都江堰) 市にも支線が出ている。チベット (西蔵) 自治区へは自動車道が通じる。史跡は数多いが,詩人杜甫の旧居を記念する杜甫草堂,蜀漢の宰相諸葛亮をまつる武侯祠などがある。郊外は灌漑施設の整った農業地域で,水稲中心コムギサツマイモアブラナサトウキビワタナンキンマメタバコアサなどを栽培する。チンタン (金堂) 県にはスーチョワン化学肥料工場がある。人口 926万 6548,うち市区人口 297万 423 (1990) 。

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