ツェルメロ=フレンケルの集合論(読み)つぇるめろふれんけるのしゅうごうろん

世界大百科事典(旧版)内のツェルメロ=フレンケルの集合論の言及

【集合論】より

…このようなことから,集合論の論理的基礎を再検討する必要が感じられ,その一つの方法として公理による構成が考えだされた。現在,集合論の公理系として利用されているものには二つの体系があり,一つはツェルメロ=フレンケルの集合論Zermelo‐Fraenkel set theory,他はベルナイス=ゲーデルの集合論Bernays‐Gödel set theoryと呼ばれている。いずれにしても集合の構成を規制することによって,心配のない理論にしようというのである。…

【数学基礎論】より

… 1908年,ツェルメロによって初めて提示された集合論の公理系は,22年にフレンケルA.A.Fraenkelによって補強され,次いでJ.フォン・ノイマンによる記号論理を用いて形式化や形式上の拡張を経て,P.ベルナイス,ゲーデルによって整備された。集合論の公理系として,ツェルメロ=フレンケルの集合論(ZFC)と呼ばれるものと,ベルナイス=ゲーデルの集合論(BGあるいはNBG)と呼ばれるものとがあるが,後者は前者の形式上の拡張であって,両者は内容的には同じものと考えられるので,以下ZFCについて述べる。 ZFCは述語論理の記号以外には=と∈だけの記号をもった第1階の述語論理で形式化された体系であって,その公理系は,(1)外延性の公理 ∀ab(∀x(xaxb)→ab)(2)空集合の存在公理 ∃ax(xa)(これによって存在を保障される集合aは公理(1)によりただ一つであることが示され(以下同様),φで表す)(3)対の公理 ∀abcx(xc↔(xaxb))(集合a,bに対して,この公理によって規定される集合cを{a,b}で表し,abのときは単に{a}とかく)(4)和集合の公理 ∀abx(xb↔∃y(xyya))(5)べき集合の公理 ∀abx(xbxa)(6)無限公理 ∃a(φ∈a∧∀x(xax∪{x}∈a))(このような集合aの最小の集合がωであって,φを0,n∪{n}をn+1とすれば,ω={0,1,……,n,……}でかつピアノの公理が成り立つことが以上の公理および後述の分出公理とから示される)(7)置換公理 ∀xyz(φ(x,y)∧φ(x,z)→yz)を満たす論理式φ(x,y)に対して,∀aby(yb↔∃x(xa∧φ(x,y)))(8)正則性公理 ∀a(a≠φ→∃x(xaxa=φ))および選択公理とからなっている。…

※「ツェルメロ=フレンケルの集合論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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