ツツジグンバイ(読み)つつじぐんばい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツツジグンバイ」の意味・わかりやすい解説

ツツジグンバイ
つつじぐんばい / 躑躅軍配虫
[学] Stephanitis pyrioides

昆虫綱半翅(はんし)目異翅亜目グンバイムシ科に属する昆虫。体長3.5~4ミリメートル、体は黒色であるが、背面は灰色を帯び、鈍い光沢がある。背面のX字状紋は黒褐色。前胸背前半の嚢(のう)状突起は前縁がとがり、頭部の上側に完全に覆いかぶさる。左右の翼状突起にはそれぞれ3列の小室が並ぶ。ツツジ類に寄生し、葉裏から吸汁する。被害にあったツツジの葉には褐色の小斑(しょうはん)が現れ、ついには枯死する。卵で越冬。本州以南の各地に普通にみられ、ほかに朝鮮半島、中国、台湾をはじめ、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアなどに広く分布する。

[林 正美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のツツジグンバイの言及

【グンバイムシ(軍配虫)】より

…汁液を吸収する際に,ウイルスなどの植物病原体を媒介するものもある。 日本産の種としては,ナシ,リンゴ,サクラなどに寄生・加害するナシグンバイStephanitis nashi,ツツジ類につくツツジグンバイS.pyrioides(イラスト),アセビ,カキなどに寄生するトサカグンバイS.takeyai,キク類を食害するキクグンバイGaleatus spinifronsなどが著名である。このうち,ツツジグンバイおよびトサカグンバイは苗木とともに北アメリカなどに侵入したことが知られている。…

※「ツツジグンバイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android