ツマグロヒョウモン(読み)つまぐろひょうもん(英語表記)Indian fritillary

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツマグロヒョウモン」の意味・わかりやすい解説

ツマグロヒョウモン
つまぐろひょうもん / 褄黒豹紋蝶
Indian fritillary
[学] Argyreus hyperbius

昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。本州南西部、四国、九州、南西諸島の各離島に普通にみられ、中国、四国、九州の平地では7、8月の酷暑期にもきわめて普通なヒョウモンチョウである。国外では朝鮮半島南部、中国から、西はインド、東はニューギニア島、オーストラリアにわたって東洋熱帯にも分布が広い。はねの開張70ミリメートル内外。雄は普通のヒョウモン(豹紋)のような斑紋(はんもん)であるが、雌の前ばね先端部は黒色を帯び、その中に白色の斜帯があり、雌雄の差は著しい。幼虫態で冬を越し、第1化は4~5月に発生し、以後は、連続的に発生して晩秋に至る。幼虫の食草はスミレ科の植物である。

白水 隆]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のツマグロヒョウモンの言及

【ヒョウモンチョウ(豹紋蝶)】より

…形態,生活史ともよく似ている。日本には大型(開張は最小6cm,最大8cm程度)のものはミドリヒョウモン,メスグロヒョウモン,クモガタヒョウモン,ウラギンヒョウモン,オオウラギンヒョウモン,ウラギンスジヒョウモン,オオウラギンスジヒョウモン,ギンボシヒョウモン,ツマグロヒョウモンの9種が見られる。生息地はすべて山の草原または森林周辺の明るいところで,成虫は花に集まる。…

※「ツマグロヒョウモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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