ティボー

精選版 日本国語大辞典 「ティボー」の意味・読み・例文・類語

ティボー

(Jacques Thibaud ジャック━) フランスバイオリニストパリ音楽院に学び、典雅・明快な演奏でフランスのバイオリン界の第一人者となった。ピアニストのロンと協力してロン‐ティボー国際音楽コンクール創始。来日途上飛行機事故のため死去。(一八八〇‐一九五三

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デジタル大辞泉 「ティボー」の意味・読み・例文・類語

ティボー(Jacques Thibaud)

[1880~1953]フランスのバイオリン奏者。繊細・高雅な演奏で、独自の境地を示した。チボー

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百科事典マイペディア 「ティボー」の意味・わかりやすい解説

ティボー

フランスのバイオリン奏者。ボルドーに生まれ,父の手ほどきでバイオリンを始める。13歳でパリ音楽院に入学。1897年カフェで弾いているところを指揮者コロンヌ〔1838-1910〕に見出され,コロンヌ管弦楽団の首席奏者に就任。以後ソリストとして欧米各地で活躍し名声を確立した。1905年カザルスコルトーと〈カザルス・トリオ〉を組む。1920年ピアノ奏者のロンと私立音楽学校を開き,1947年来〈ロン=ティボー国際音楽コンクール〉(音楽コンクール)を開催。1928年,1936年と来日し,3度目の来日の途次,航空機事故で死去。磨きぬかれた音色と気品に満ちた表現で知られ,フランス音楽の演奏で独自の境地を開いた。ピエルネの《バイオリン・ソナタ》(1900年)をはじめ,多くの作曲家に作品を献呈されている。→イザイエグラナドス/H.シェリングフランセスカッティ
→関連項目ナットフルニエ

ティボー

ドイツのローマ法学者。イェーナ,ハイデルベルク大学各教授を歴任。ナポレオン戦争当時の民族統一の気運に際し,自然法的理念にもとづく統一法典による新社会秩序の建設を説き,サビニーらと論争。主著《パンデクテン法体系》《ドイツ一般民法典の必要について》。
→関連項目法典論争

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改訂新版 世界大百科事典 「ティボー」の意味・わかりやすい解説

ティボー
Jacques Thibaud
生没年:1880-1953

フランスが生んだ20世紀最高のバイオリン奏者。パリ音楽院卒業後,カフェで弾いていたところを指揮者のÉ.コロンヌに見いだされ,彼の主宰する管弦楽団に入団,のちコンサートマスターとなる。その後独奏活動に入り,1903年のアメリカ楽旅を成功裡に終え,世界的なバイオリン奏者と認められた。05年,チェロのカザルス,ピアノのコルトーと20世紀最高のピアノ三重奏団といわれるカザルス・トリオを結成,室内楽に進出。また,コルトーとの二重奏では独特の優雅さと官能美を発揮,とくにフランス音楽の演奏にかけては他の追随を許さなかった。43年ピアノ奏者のロンと〈ロン=ティボー国際音楽コンクール〉を創始。53年3度目の来日の途次,航空機事故で死去。ティボーは,技巧的には音程が悪いという弱点をもっていたが,典雅な音色,高雅な気品はそれを補ってあまりがあり,繊細な感情表現に傑出した才能を発揮した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティボー」の意味・わかりやすい解説

ティボー
Thibaud, Jacques

[生]1880.9.27. ボルドー
[没]1953.9.1. アルプス山中
フランスのバイオリニスト,教育者。父親にバイオリンを学び,のちパリ音楽院で M.マルシックに師事。指揮者 E.コロンヌに才能を発見されて,コロンヌ管弦楽団のメンバーとなり,同楽団の独奏者としても活躍した。その美しい音色によって 20世紀前半のフランス最大のバイオリニストとたたえられた。また,ピアニスト,M.ロンとの協力により「ロン・ティボー・コンクール」を設置,これは今日世界の演奏家の登竜門として有名。 1928年初来日,53年3度目の来日公演の途上,飛行機事故で死亡。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティボー」の意味・わかりやすい解説

ティボー
てぃぼー

チボー

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世界大百科事典(旧版)内のティボーの言及

【ロン=ティボー国際音楽コンクール】より

…フランスの高名な二人の演奏家,ピアノのロンとバイオリンのティボーによって1943年に創設されたコンクール。初めの3回は3年ごとに行われたが,その後2年ごとの周期となって今日に至る。…

※「ティボー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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