ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テメル」の意味・わかりやすい解説
テメル
Temer, Michel
ブラジルの政治家。大統領（在任 2016～18）。フルネーム Michel Miguel Elias Temer Lulia。1925年にブラジルに渡ってきたレバノン系移民の家に 8人きょうだいの末子として生まれた。サンパウロ大学で法律を学び，サンパウロ・カトリック大学で法学博士号を取得，のち同大学教授。1964年サンパウロ州教育局に入局，1970年州検察庁検事，1983年州検事総長。1984～86，1992～93年州公安局長。中道右派政党，ブラジル民主運動党 PMDBに所属し，憲法制定国民議会のメンバーとして 1988年に制定された新憲法の起草に参画。1987年，連邦下院議員に初当選し，下院議長を 3回（1997～99，1999～2001，2009～10）務めた。2001～16年，PMDB全国委員会委員長。2011～16年労働者党 PTのジルマ・ルセフ政権の副大統領。ルセフ政権は，国営石油会社ペトロブラスを舞台にしたブラジル史上最悪といわれる汚職事件で追い込まれ，またルセフ自身も政府会計の不正操作疑惑で弾劾裁判にかけられた。テメルはルセフの弾劾手続きが始まった 2016年5月から大統領代行を務め，ルセフの有罪判決が決定した 8月，正式に大統領となった。就任後は崩壊したブラジル経済の立て直しにとりかかったが，汚職事件への関与疑惑も浮上し，支持率は 3%にまで落ち込んだ。2018年任期満了につき大統領退任。
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