日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
テーラー(Brook Tayler)
てーらー
Brook Tayler
(1685―1731)
イギリスの数学者。ニュートンの直接の後継者にあたる。彼の名を冠するテーラー級数
は、1715年に、当時王立協会の書記であった彼の著書『増分法』Methodus incrementorumに初めて発表された。これを微分方程式を解くのに活用し、また弦の振動に関する先駆的な研究をしている。
実はテーラーの本にあるのは、x=0に相当し、今日、マクローリンの定理とよばれているものである。テーラー級数という名は、オイラーの命名(1755)であり、その重要性が認識されたのも、それ以降であった。テーラーは若死にし、以後のイギリスの数学界が不便なニュートンの記法を墨守したため、ヨーロッパ大陸に大きな後れをとったといわれている。
[一松 信]
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