日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
テーラー(Griffith Taylor)
てーらー
Griffith Taylor
(1880―1963)
イギリスのロンドンに生まれ、1893年にオーストラリアに移住した地理学者。シドニー大学で工学と地質学を学び、1907年卒業と同時に同大学講師、1920年に教授となる。その間、スコットの南極探検に参加し、1916年に南極の地質研究でシドニー大学から学位を得た。1928年にアメリカのシカゴ大学教授に転じ、1935年からはカナダのトロント大学教授として1951年の退官まで務めた。『オーストラリアの地理』(1914)をはじめ、オーストラリアの地理に関する多くの論文がある。また、南極の氷河地形や、人種の分布・移動と氷期以降の気候変化との関係に独創的な業績を残した。自然・人文にわたり学際的研究に成果をあげたことも業績の一つにあげられる。また、古典教育、オペラ、未来芸術、競馬など広範囲の趣味をもっていた。
[市川正巳]
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