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ディカイオシュネー dikaiosynē

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ディカイオシュネー
dikaiosynē

正義の意のギリシア語。倫理学上の最も主要な概念の一つ。一般にはいわゆる4つの徳 (のちの枢要徳 ) の一つ。プラトンはこの正義に徹底的な考察を加え,ノモスとフュシスという対立的カテゴリーを使って力の正義を主張する人々に対し,「不正を犯すよりはむしろ不正をこうむるほうがよい」とする基本的認識に立って正義の復権を説いた。さらに彼は,魂の3つの部分 (知的,激情的,欲望的部分) には倫理的卓越性としての3つの徳,すなわち知恵 (→ソフィア ) ,勇気,節制 (→ソフロシュネー ) が対応して存在し,この3つの徳を適正な関係に保つ統合的立場に立つ徳を正義とした。それは個人的な倫理生活のみならず全体的な倫理的世界すなわち国家の中核となる概念であった (『国家』) 。アリストテレスは正義を全般的な徳であるものと徳の一部分であるものに分け,さらに後者を名誉や財貨などの配分に関するものと契約関係や窃盗,姦淫,暗殺,偽証などなんらかの意味での相互交渉関係における調整の役目を果すものとに区別した。ストア派では正義は4つの枢要徳の一つであり,クリュシッポスは「各人に適正なものを配分する知識」と定義した。

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