デコルマン(読み)でこるまん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デコルマン(地学)
でこるまん
Dcollementフランス語

褶曲(しゅうきょく)や衝上(しょうじょう)運動などで地層が変形するとき、地層面にほぼ平行なすべり面が生じ、すべり面の上下で構造様態が異なる現象、またはそのすべり面のこと。地層が層準によって異なる褶曲様態を示す現象を非調和褶曲とよぶが、それぞれの褶曲の単位層の間にはすべり面が生じており、このすべり面の大規模なものをデコルマン(またはデコルマ)とよぶ。ヨーロッパのジュラ山脈では、三畳系の石膏(せっこう)層をすべり面として、それより下位の地層は褶曲していないが、上位のジュラ系だけが激しく褶曲していることが知られている。デコルマンの上の褶曲は丸く盛り上がった背斜と平らな底部をもつ向斜で特徴づけられる。
 北アメリカのアパラチア山脈では、ある層準に主すべり面(マスターデコルマン)が存在し、そこから派生した衝上断層群でデコルマンより上位の地層が繰り返してデュープレックスをつくったり、褶曲したりしている。また、パプア・ニューギニアでも、ある層準の頁岩(けつがん)層中にデコルマンの存在が推定され、それより上位の地層がデコルマンから派生した衝上断層群で瓦を斜めに重ね合わせたような覆瓦(ふくが)状構造をつくっている。このようにデコルマンから上位の地層中にだけ褶曲や断層がみられ、それより下位の地層にみられない構造を薄殻(はっかく)状構造とよぶ。[村田明広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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