デビッドソン(Basil Risbridger Davidson)(読み)でびっどそん(英語表記)Basil Risbridger Davidson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

デビッドソン(Basil Risbridger Davidson)
でびっどそん
Basil Risbridger Davidson
(1914―2010)

イギリスのジャーナリスト、歴史家。ブリストルに生まれる。1938年『エコノミスト』誌の東・南欧問題専門家として出発し、第二次世界大戦中は陸軍で活躍。戦後は『タイムズ』『ニュー・ステーツマン』紙などで国際問題に健筆を振るったが、1950年ころからアフリカに関心を向けた。『南部アフリカ報告』(1952)、『アフリカの目覚め』(1955)、『古代アフリカの発見』(1959)、『ブラック・マザー』(1961)、『アフリカの過去』(1964)、『アフリカ文明史』(1965)などでアフリカ史を再評価、『ギニアの解放』(1969)などで旧ポルトガル領の解放運動に深くかかわった。このほか、『ブラック・スター』(1973)、『現代史のなかのアフリカ』(1978)、『アフリカ』(BBC放送番組、1984)、『黒人重荷』(1992)など、小説を含めて50冊近い著作があるが、アフリカ史の自律autonomyと植民地史観の排除を願う立場が一貫しており、人類史のなかでのアフリカの位置づけに果たした功績は他に類例がない。1960年代中ごろから、ガーナ大学、カリフォルニア大学、エディンバラ大学ほか多数でアフリカ史の客員教授を務めた。1985年、ダルエス・サラーム大学から名誉文学博士号を得ている。

[宮本正興]

『貫名美隆訳『アフリカの過去』(1978・理論社)』『貫名美隆・宮本正興訳『アフリカ文明史』(1978・理論社)』『内山敏訳『ブラック・マザー』(1978・理論社)』『B・デビッドソン他著、北沢正雄他訳『南部アフリカ』(1979・岩波書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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