デュシェーヌ(英語表記)Duchesne, Louis-Marie-Olivier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デュシェーヌ」の意味・わかりやすい解説

デュシェーヌ
Duchesne, Louis-Marie-Olivier

[生]1843.9.13. サンセルバン
[没]1922.4.21. ローマ
フランスの古代教会史家。 1867年司祭。ローマでデ・ロッシに学び,77年パリ大学カトリック研究所教授。 81年『文学,歴史,神学の批判報告』 Bulletin critique de littérature,d'histoire et de théologie誌を創刊。 92年エコール・デ・ゾート・ゼチュードの宗教研究の主任を兼ね,95年から死ぬまでローマのフランス学院院長。 1910年アカデミー・フランセーズ会員。考古学,地誌学,典礼学などの研究を教会史に適用。実証的研究により多くの伝説をくつがえし,辛辣な文章とあわせて多くの敵をつくった。主著『歴代教皇表』 Liber pontificalis (2巻,1886~92) ,『キリスト教祭式の起源』 Les origines du culte chrétien (89) ,『古代キリスト教会史』 Histoire ancienne de l'église chrétienne (4巻,1905~25) 。

デュシェーヌ
Duchesne, (Rose) Philippine

[生]1769.8.29. グルノーブル
[没]1852.11.18. アメリカ,セントチャールズ
フランスの修道女福者。 1788年故郷で訪問会に入り,フランス革命により一時家庭に引戻されたが,1804年他の修道女とともに聖心会に入って M.S.バラの秘書をつとめる。 18年アメリカに渡り,各地学校修道院を建て,会の地盤を築いた。 1940年列福。祝日 11月 17日。

デュシェーヌ
Duchesne, André

[生]1584.5.
[没]1640.5.30. パリ
フランスの歴史家。王室歴史編纂官。『フランス王朝の偉大と尊厳の由来と研究』 Antiquités et recherches de la grandeur et majesté des rois de France (1609) ほか著作が多い。フランス歴史学の父と呼ばれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android