デービス(William Henry Davies)(読み)でーびす(英語表記)William Henry Davies

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

デービス(William Henry Davies)
でーびす
William Henry Davies
(1871―1940)

イギリスの詩人ウェールズに生まれ、初等教育を終えたのち日雇いや行商などを続け、ニューヨークに渡る。アメリカ、カナダの各地を放浪中、事故で片脚を失い、ロンドンに戻り、窮乏に耐えながら文筆専念。自然の風物庶民の生活感情を率直に歌った処女詩集『魂の破壊者』(1905)で注目を浴びた。ついで自然、愛、社会などを主題とする鋭い感性に富む詩集を次々と発表するが、8年に及ぶ青春彷徨(ほうこう)を自伝風に描いた『ある放浪者の自叙伝』(1908)でいまもなお広く読者をもつ。ほかに『自然詩その他』(1908)、没後刊行された、妻への奇抜な求婚を描いた『若きエマ』(1980)などが知られる。

[上田和夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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