世界大百科事典(旧版)内のトゥグルク・ティムール・ハーンの言及
【モグーリスターン・ハーン国】より
… 西チャガタイ・ハーン国では,王族らが急速に定住民化・イスラム化していったのに対して,この国のハーンたちは,シャマニズムの信仰とチンギス・ハーンの定めたヤサ(ジャサク)法の遵守を主張して,モンゴル遊牧民の伝統的生活を維持することに努めた。しかしトゥグルク・ティムール・ハーン(在位1346‐63)の時代にイスラム化すると,王族はしだいに定住民化し,また15世紀の中葉以降,草原地帯にカザフ,ウズベク,オイラートなど新たな遊牧勢力が勃興すると,ハーン国の部民の多くがこれらの新勢力に合流したため,ハーン国は急速に弱体化した。ハーンをはじめとする支配者たちは,遊牧地帯を捨ててタリム盆地の定住地帯に移住し,16世紀初頭には,トゥルファン・ハーン国,カシュガル・ハーン国を形成し,16世紀末までには後者が前者を併合した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」