日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
トムセン(Hans Peter Jörgen Julius Thomsen)
とむせん
Hans Peter Jörgen Julius Thomsen
(1826―1909)
デンマークの化学者。高校を卒業しなかったが、試験を受けて理工科学校に入学し、卒業後同校の化学実験助手となり、のちにはコペンハーゲン大学の化学教授となった。彼のおもな研究は熱化学で、3500回も反応熱の測定を行い、詳しいデータを積み上げた(おもに1866~1886)。彼が出発点とした考えは、「化学反応で発生する熱量は、化学親和力に相当する」というものであるが、彼自身のちに認めたように、これはかならずしも正しくなく、結局彼の熱化学は行き詰まった。ほかの研究としては、1895年に当時の周期律表をさらに改良した形のものを発表している。
[吉田 晃]
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