日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
トムソン(Stith Thompson)
とむそん
Stith Thompson
(1885―1976)
アメリカの口承文芸研究者。インディアナ大学で民俗学の教鞭(きょうべん)をとり、多くの民俗学者を育成した。1928年に、フィンランドのアンティ・アールネの『昔話のタイプ索引』を英訳、1961年にはそれを大規模に改訂増補し、『昔話の話型』The Types of the Folktaleを完成。これは、今日の昔話研究において、世界共通のカタログの目安として使われている。AaTh, AThなどと略す。1936年には『民間文芸のモティーフ索引』Motif-Index of the Folk-Literatureを完成、1958年にはそれを増補して6巻本とした。これも、昔話の比較研究には不可欠の索引とされている。1946年『民間説話』The Folktaleを公刊。これは、昔話の研究史、研究方法、昔話の実態、地球上の地域による特徴など、網羅的な、専門的入門書で、今日では、口承文芸、とくに昔話研究者の必読の入門書とされている。
[小澤俊夫 2018年12月13日]
『荒木博之・石原綏代訳『民間説話』上下(社会思想社・現代教養文庫)』
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