トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(読み)トリスヒドロキシメチルアミノメタン

化学辞典 第2版 の解説

トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
トリスヒドロキシメチルアミノメタン
tris(hydroxymethyl) aminomethane

C4H11NO2(121.14).H2NC(CH2OH)3.略称トリス(tris).ニトロメタンホルムアルデヒドから容易に合成される.帯黄白色の結晶性粉末.無臭.融点170~172 ℃,沸点219~220 ℃(1.3 kPa).吸湿性がなく室温で安定である.水に易溶,アルコール類に可溶,ほかの有機溶媒に難溶.pH 10.0~10.8(0.1 mol L-1 水).pH 7.0~9.0で強い緩衝作用を示し,酵素反応阻害がなく長期保存ができるので,生化学分野で広く用いられている.トリス緩衝液,界面活性剤,合成中間体,乳化剤などに用いられる.[CAS 77-86-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android