トリュフ(英語表記)truffle
truffe[フランス]

精選版 日本国語大辞典 「トリュフ」の意味・読み・例文・類語

トリュフ

〘名〙 (truffe)
① きのこの一種西洋松露フランス料理で珍重される。
食道楽‐夏(1903)〈村井弦斎〉一七九「トリフと云って西洋松露は脊髄病に功があると伺ひましたが」
② ①に似せて作ったチョコレート菓子

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デジタル大辞泉 「トリュフ」の意味・読み・例文・類語

トリュフ(〈フランス〉truffe)

西洋松露せいようしょうろのこと。特に料理材料とするものをいう。塊状キノコで、独特の芳香があり、卵・鶏料理などに用いる。
形を1に似せて作った菓子。一口大に丸めたガナッシュにチョコレートをかけて固めたもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「トリュフ」の意味・わかりやすい解説

トリュフ
truffle
truffe[フランス]

セイヨウショウロともいう。キャビアフォアグラとともに世界の三大珍味といわれている,子囊菌類セイヨウショウロ科の地下生キノコの総称。数種が知られるが,代表種のチュベル・メラノスポルムTuber melanosporum Vitt.は主産地のフランスペリゴール地方にちなみ,ペリゴール・トリュフの名でとくに珍重される。球形で径3~15cm,表面は黒褐色多角形いぼがある。肉は白色~褐紫色で独得の強烈なにおいがある。コナラ属,カバノキ属などと菌根をつくり,地中に子実体を形成する。特異なにおいがあるので,フランスやイタリアなどではイヌやブタの嗅覚を利用してトリュフを探すといわれている。トリュフはフランス料理やイタリア料理に用いられる高級食用キノコで,黒いダイヤ,食卓のダイヤといって高価で取引される。
執筆者:

小さく切って付合せにしたり,ソースに加えることが多い。ステーキにはブランデーで温めたものをのせ,魚の蒸煮や鳥獣肉のいため煮にはいっしょに煮たものを添え,また,冷製料理やサラダの飾りにもする。ブラウンソースやホワイトソースには刻んで加える。トリュフを主材料とする料理にはパイ包み焼き,クリーム煮などがある。トリュフ入りのフォアグラは,オードブルとして珍重されている。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリュフ」の意味・わかりやすい解説

トリュフ
とりゅふ
truffe フランス語

セイヨウショウロの料理での総称。フランス料理のソース類の香りづけや、かき卵などの卵料理に入れ、また鶏や野鳥料理に添える。アンディーブなどとともにトリュフのサラダとしても賞味される。とくにフォアグラのパテの中心部にはかならず黒いトリュフが埋め込まれていることで有名。

 キャビア、フォアグラとともに世界三大珍味とまで称され、きわめて高価である。南フランスのペリゴール地方産が最上品とされ、ほかにネラック、マルテル、カオール地方産も上級品として知られる。イタリアのピエモンテ・トリュフは白色で、風味はフランス産の黒いトリュフtruffe noirに劣らず優れている。生(なま)ですりおろし、パスタやリゾット、卵料理など高級イタリア料理に用いられる。夏トリュフ、冬トリュフも広く食用にされる。

 トリュフは虫がつきやすく、いたみやすいので、なま物は産地に限られるが、冬季には日本にも少量輸入される。一般には缶詰にしたものを材料とする。

[星川清親]


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百科事典マイペディア 「トリュフ」の意味・わかりやすい解説

トリュフ

西洋ショウロ,黒ショウロとも。子嚢菌類の地下生キノコ。径3〜10cmの塊状,表面は黒褐色で多角形のいぼがある。おもにフランス,イタリアのコナラやカバノキ林の土中に生育。キャビアフォアグラとともに三大珍味といわれ,香気高く美味で高級料理に使う。
→関連項目アキテーヌテリーヌフランス料理

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チョコレート・ココア辞典 「トリュフ」の解説

トリュフ

■ フランス料理の高級食材トリュフ(きのこの一種)に似せて作ったチョコレートのことをいいます。
センターにガナッシュを入れ、形をいびつにしたり、また掘り出したばかりを演出するために、ココアパウダーをまぶしたりします。様々な形があります。

出典 日本チョコレート・ココア協会チョコレート・ココア辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「トリュフ」の解説

トリュフ

 [Tuber melanosporum],[T. magnatum]など.[Tuber]属の嚢子菌類でチャワワンタケ目セイヨウショウロ科セイヨウショウロ属に属し,食用にするキノコ.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリュフ」の意味・わかりやすい解説

トリュフ

トラッフル」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のトリュフの言及

【媚薬】より

…大プリニウスは,人参の一種スタフィリヌスから媚薬を得たのはオルフェウスだ,と植物性媚薬の話もするが(《博物誌》第20巻),彼がもっぱらあげる媚薬は,猪の胆汁,豚の脊髄,鵞鳥の脂に驢馬の脂肪を混ぜたもの,性交後の牝馬の陰液,馬の睾丸,驢馬の右側の睾丸のワイン漬け,驢馬の睾丸を熱いオイルに7回漬けたもの,性交後の驢馬の汗,性交後の牡牛の尿,鼠の糞など,動物性のゲテモノばかりである(同第28巻)。 フランスの美食家A.ブリヤ・サバランが《美味礼賛》(1825)で説くトリュフの強精効果は,この茸をアフロディテが好物としたという伝説とも関連して古くから信じられ,今もフランス料理などで珍重されている。けれども中国ではこれを雷丸といって小児薬または解熱薬に用いており,長く連用すれば陰萎(インポテンツ)になると逆の副作用をあげている(李時珍《本草綱目》)。…

※「トリュフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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