トルケマーダ(英語表記)Torquemada, Tomás de

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トルケマーダ」の意味・わかりやすい解説

トルケマーダ
Torquemada, Tomás de

[生]1420. バリャドリド
[没]1498.9.16. アビラ
スペインの神学者。ドミニコ会士。フアン・デ・トルケマーダの甥。カスティリャの女王イサベラ1世と王フェルディナンド5世の聴罪司祭として国王の宗教政策に影響を及ぼした。 1452年セゴビアのサンタ・クルス修道院院長,83年にはスペイン最初の異端大審問官に任命され,スペイン全域にわたって異端審問を改組し,厳酷に改訂,異端以外の犯罪にも拡張し,当時の慣行に従って拷問を加え,少くとも 2000名の「異端者」を焚殺した。彼の審問方法は,のち『異端審問教程』として刊行され後世の審問の手引書となった。彼自身ユダヤ系の出自であったが,ユダヤ教徒,イスラム教徒およびこれら両者からのキリスト教改宗者を国家の危険要素と確信し,92年 16万人のユダヤ人の追放に影響を及ぼした。

トルケマーダ
Torquemada, Juan de

[生]1388. バリャドリド
[没]1468.9.26. ローマ
スペイン出身のドミニコ会士。枢機卿。中世後期の指導的な神学者の一人。ラテン名 Johannes de Turrecremata。バーゼル会議 (1431~35) では教皇権を擁護するなど,教皇権強調の先駆者となり,ボヘミアフス派やギリシア教会との一致のために尽力し,またスビアコ大修道院長として修道会規律の遵奉徹底のため活躍した。多数の神学書を著わした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android