日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
トンプソン(James Burleigh Thompson Jr.)
とんぷそん
James Burleigh Thompson Jr.
(1921―2011)
アメリカの岩石学者。メーン州カライスに生まれ、ダートマス大学を卒業(1942)、マサチューセッツ工科大学(MIT)で学位をとった(1950)。ダートマス大学、MIT、ハーバード大学で教師を務め、1960年ハーバード大学の鉱物学の教授となった。ニュー・イングランドの地質、変成岩岩石学の研究を行うとともに、熱力学の理論と岩石・鉱物の観察結果をもとに明快な仮説をたて、実験岩石学の系の選択に重要な示唆を与えた。また黒雲母(うんも)、輝石、角閃(かくせん)石のポリゾマティズム(2種の結晶構造単位がいろいろに組み合わさって、数種の鉱物の骨組みとなっている現象)を明らかにした。ジムトンプソン石、斜ジムトンプソン石(三鎖構造をもつ含水珪酸塩鉱物)は彼の名前にちなんで命名された。
[千葉とき子]