ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ト・ホーフト」の意味・わかりやすい解説
ト・ホーフト
't Hooft, Gerardus
オランダの物理学者。1972年ユトレヒト大学で物理学の博士号を取得,1977年同大学の物理学教授に就任。ユトレヒト大学大学院に在学中の 1969年当時,マルティヌス・J.G.フェルトマンのもとで自然界に働く力を統一する理論の研究に取り組む。1971年に,自然界に存在する四つの力のうち電磁気力(電磁相互作用)と弱い相互作用を統一するワインバーグ=サラムの理論が,無限大となる量から有限な量を抜き出して計算することのできる「くりこみ可能性」(→くりこみ理論)を備えていることを数学的に証明した。さらに,弱い相互作用を媒介する粒子として存在が予測されていた W粒子と Z粒子の構造を解明した。素粒子論の研究に貢献したこの業績によって,フェルトマンとともに 1999年ノーベル物理学賞を受賞した。(→素粒子,素粒子物理学)
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