ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドロン」の意味・わかりやすい解説
ドロン
Delon, Alain
フランスの俳優。フルネーム Alain Fabien Maurice Marcel Delon。きわだつ美貌で注目を集め,1960~70年代のフランス映画界を代表する男優となった。食肉加工店で見習いをしたのち,フランス海軍に入隊して第1次インドシナ戦争(1946~54)に従軍。1957年カンヌ国際映画祭でアメリカ合衆国の映画制作者デービッド・O.セルズニックから声をかけられたが,ハリウッドの映画会社との契約は断り,ヨーロッパの監督のもとで修業を積む道を選ぶ。初主演作品は『恋ひとすじに』Christine(1958)。その後,『太陽がいっぱい』Plein soleil(1960,ルネ・クレマン監督),『若者のすべて』Rocco e i suoi fratelli(1960),『地下室のメロディー』Mélodie en sous-sol(1963)で一躍国際的な注目を浴びる。フランス映画では『サムライ』Le Samouraï(1967)や『シシリアン』Le Clan des Siciliens(1969)など,実生活で噂されていた裏社会とのかかわりを連想させるギャング映画で最も知られる。英語映画では『黄色いロールス・ロイス』The Yellow Rolls-Royce(1964),『テキサス』Texas Across the River(1966),『レッド・サン』Red Sun(1971)など多彩な作品に出演した。以降,『パリの灯は遠く』Monsieur Klein(1976),『真夜中のミラージュ』Notre histoire(1984),『ヌーヴェルヴァーグ』Nouvelle vague(1990),『ハーフ・ア・チャンス』1 chance sur 2(1998)などに出演。
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