ナイジェリア・オバサンジョ政権(読み)ないじぇりあおばさんじょせいけん

知恵蔵 の解説

ナイジェリア・オバサンジョ政権

2003年4月、民政移管後初の大統領選挙が行われ、現職のオルセグン・オバサンジョ大統領(国民民主党〈PDP党首)が再選された。1983年以降、軍政が続いたナイジェリアで98年6月、アバチャ暫定統治評議会議長が急死後任のアブバカル議長は民政移管の選挙実施を約束し、99年2月の大統領選挙でオバサンジョ元最高軍事評議会議長が当選、民政に移管した。欧米諸国はこの選挙結果と民政移管を歓迎、経済制裁を解除した。オバサンジョ新政権はそれまでの軍政下での腐敗・汚職を一掃、2000年8月にはクリントン米大統領(当時)が訪問し、両国の経済関係の強化を図った。また、世界銀行、国際通貨基金(IMF)も融資を再開した。04年にはAU議長となり、アフリカの民主化に努めた。07年5月に2期大統領職の任期満了となるオバサンジョ大統領は、3選をめざし憲法改正を試みようとしたが、アブバカル副大統領らの反対にあい、06年5月、上院は改正憲法案を否決。オバサンジョ大統領は07年5月の引退を表明した。

(林晃史 敬愛大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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