ナジャフ(読み)なじゃふ(英語表記)Najaf

精選版 日本国語大辞典 「ナジャフ」の意味・読み・例文・類語

ナジャフ

(Najaf) イラク中部の都市ユーフラテス川中流域にある。イスラムシーア派聖地で、初代カリフ、アリー聖廟がある。アンナジャフ

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デジタル大辞泉 「ナジャフ」の意味・読み・例文・類語

ナジャフ(Najaf)

イラク中部、ナジャフ州の都市。同州の州都バグダッドの南約150キロメートル、ユーフラテス川中流域にある。イスラム教シーア派の聖地。アッバース朝第5代カリフのハールーン=アッラシードが建てた、シーア派初代イマームであるアリー聖廟せいびょうがある。アンナジャフ。アルナジャフメシェッドアリ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナジャフ」の意味・わかりやすい解説

ナジャフ
なじゃふ
Najaf

イラク中央部の宗教都市。ナジャフ州の州都。正式にはアン・ナジャフAn-Najafという。アル・ナジャフ、メシェッド・アリMeshed Aliともいう。バグダードの南約150キロメートル、ユーフラテス川中流沿岸近くに位置する。人口30万9010(1987センサス)、58万5600(2003推計)。8世紀にアッバース朝カリフのハールーン・アッラシードがイスラム教シーア派初代イマームのアリーの墓廟(ぼびょう)を祭ったのが町の起源である。アリーの息子フセインの墓のあるカルバラーとともに、シーア派のもっとも神聖な巡礼地である。

[原 隆一]

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改訂新版 世界大百科事典 「ナジャフ」の意味・わかりやすい解説

ナジャフ
Najaf

イラクにおけるシーア派の聖地。クーファの南西方約10kmの地にある。人口50万(2003)。661年第4代カリフ,アリー(シーア派初代イマーム)はクーファで刺殺された。シーア派によると,アリーは遺体を汚されるのを恐れて,クーファ以外の地にひそかに埋葬するよう遺言したという。そこでナジャフが選ばれ,後に聖廟が建立された。シーア派にとってはカルバラーとともに最も重要な聖地で,巡礼地になっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナジャフ」の意味・わかりやすい解説

ナジャフ
An-Najaf

イラク中央部,ナジャフ県の県都。カルバラーとともにシーア派イスラム教二大聖地の一つ。バグダードの南約 160kmに位置する。ユーフラテス川の西 11kmに露出した岩脈上にあり,前面にイスラムの聖地ナジャフ沼沢地を見おろす。 791年にハールーン・アッラシードによって,この地にモスクが建てられたことに始るが,本格的な発展は 10世紀以降である。シーア派イスラム教徒の聖地,学術の中心として,いまも多数の巡礼者を集めている。市の中央にあるムハンマド女婿で,シーア派の初代イマーム,第4代カリフ,アリーの墓をおおうペルシア風の大モスクは有名。人口 24万 2603 (1985推計) 。

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百科事典マイペディア 「ナジャフ」の意味・わかりやすい解説

ナジャフ

イラク中部,ユーフラテス川右岸の都市。第4代正統カリフであるアリーシーア派イスラムでは初代イマーム)の廟がある。カルバラーとともにシーア派最大の聖地として,イランをはじめ各地からの巡礼者が多い。30万9010人(1987)。

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