日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 ナット(Yves Nat)なっとYves Nat(1890―1956) フランスのピアノ奏者。南仏ベジエに生まれ、パリに没。パリ音楽院でコルトーの師ディエメールに学ぶ。病身のため演奏活動はコルトーの華やかさに及ばなかったとはいえ、ベートーベンとシューマンの解釈で一家をなす。また室内楽でも、バイオリンのイザイやチボーと組んだ二重奏で名声を高めた。のちパリ音楽院教授。ナットに学んだ井口基成(もとなり)が、独自のピアノ教育法で多くの英才を送り出したのは有名。[岩井宏之] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例