ナハス(読み)なはす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナハス」の意味・わかりやすい解説

ナハス
なはす
Muafā al‐Naās
(1876―1968)

エジプト政治家ワフド党指導者。1927年サード・ザグルール死後、ワフド党党首に選ばれ、エジプトの民族主義運動を指導。1928年以後、数度にわたり組閣。1936年ワフド党政権を樹立するや、イギリスとの間で同盟条約を締結し、イギリスと形式上平等の関係にたった。同条約により1937年国際連盟に加盟。1950年の総選挙勝利を収め首相に就任後、1951年10月同盟条約を一方的に廃棄した。だが1948年のパレスチナ戦争敗北後の危機なかで1952年1月辞任。同年7月のナセルらのクーデター後、ワフド党党首の地位を去った。

[伊能武次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ナハス」の解説

ナハス
Muṣṭafa al-Nahaṣ Pasha

1876~1965

エジプト民族独立運動の指導者,政治家。第一次世界大戦直後ワフド党結成に参画,反英運動を指導した。1919年同志たちとマルタ島に流刑。22年帰国。27年ワフド党総裁。28年首相になったのをはじめ,計5回首相となった。36年イギリスに妥協してエジプト‐イギリス同盟条約を結んだが,51年これを破棄すると宣言した。52年エジプト革命後に引退

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android