ナポリ歴史地区(読み)ナポリれきしちく

世界遺産詳解 「ナポリ歴史地区」の解説

ナポリれきしちく【ナポリ歴史地区】

1995年に登録されたイタリアの世界遺産(文化遺産)で、ティレニア海沿岸カンパーニア州の州都。紀元前470年に初めてギリシア人が入植し、植民都市名のネアポリスが「ナポリ」の地名になった。これ以降、古代ローマ帝国やゴートロンバルドビザンチン帝国の支配下に入る。8~11世紀にはナポリ王国として自治を確立したが、再びノルマンやフランス、スペインの属国となった。こうして異文化を絶えず取り込んだ結果、独自の芸術、文化が育まれた。サンタ・ルチア港の突堤に作られた要塞で、ナポリ湾とヴェスヴィオ火山を望む古城のデッローヴォ城(卵城)は、12世紀にノルマン朝が建造した。ほかに13世紀に建てられ、卵城と区別するために命名されたヌオーヴォ城(新城)、14世紀に建てられたナポリ大聖堂、サン・テルモ城の近くでナポリの町を見下ろすヴォメロの丘に建つサン・マルティーノ修道院、イタリア三大劇場の一つであるサン・カルロ劇場、そして王宮など、数多くの建造物が残っている。これらが人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして、世界遺産に登録された。◇英名はHistoric Centre of Naples

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android