ニャンザン(読み)にゃんざん(英語表記)Nhan Dan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニャンザン」の意味・わかりやすい解説

ニャンザン
にゃんざん
Nhan Dan

ベトナムの代表的日刊全国紙。紙名は「人民」の意。題字の下には、「ベトナムの党、国家、人民の声」とある。ベトナム労働党(現共産党)の機関紙で、フランスに対する独立戦争中の1951年、中国国境沿いの解放区で第1号を刊行。対仏独立戦争、ベトナム独立戦争、南ベトナム解放というベトナム現代史を通じ、党の報道・宣伝機関として重要な役割を果たしてきた。1975年の解放後も、党規粛正のキャンペーンが同紙を通じて行われるなど大きな影響力をもつ。読者の中心は政府関係者や党員が占める。文化、スポーツ、娯楽のページのほか、1986年からのドイモイ刷新政策をうけ、紙面に読者の声、意見の欄を設け、汚職撲滅などの問題提起も行われている。1998年からオンライン新聞も開始し、英語版もある。2007年から1面と終面をカラー化した。本社ハノイ

[鈴木ケイ・木村綾子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ニャンザン」の意味・わかりやすい解説

ニャンザン
Nhan Dan

ベトナム共産党の日刊機関紙。1946年,ベトナム共産党の前身であるインドシナ共産党(1951年にベトナム労働党,76年現名)の機関紙として創刊された。紙名は〈人民〉の意味で,ベトナム人民軍の日刊機関紙である《クアンドイ・ニャンザンQuan Doi Nhan Dan》(〈人民の軍隊〉の意。1950創刊)とともにベトナムで最も広く読まれている。4~6ページ建てで,挿絵漫画も入って読みやすく編集されている。90年代後半の発行部数約20万部。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニャンザン」の意味・わかりやすい解説

ニャンザン
Nhan Dan

ベトナム社会主義共和国の代表的新聞。共産党中央機関紙で,ニャンザンは人民の意。 1951年創刊。ベトナム語朝刊。政府の基本方針国内の重要ニュースを知るうえには不可欠で,海外でもよく引用される。全体としてニュースよりも解説に重点をおいている。発行部数は約 38万 (1997) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android