ニューサウスウェールズ

精選版 日本国語大辞典 「ニューサウスウェールズ」の意味・読み・例文・類語

ニュー‐サウスウェールズ

(New South Wales) オーストラリア南東部の州。州都シドニー。一七八八年イギリスの流刑植民地としてオーストラリア大陸最初に開発された地方。農牧業のほか石炭・鉛・亜鉛などの地下資源も豊富で、重工業が発達している。

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改訂新版 世界大百科事典 「ニューサウスウェールズ」の意味・わかりやすい解説

ニュー・サウス・ウェールズ[州]
New South Wales

オーストラリア南東部の州。面積80万0642km2,人口655万(2006)。州都はシドニー。年降水量は海岸部(1000mm以上)から北西部の内陸(200mm以下)へと順次減少する。土地利用も海岸部の集約的な酪農・園芸農業地帯から東部高地の集約的牧羊地帯,東部高地西斜面から内陸平原にかけての小麦・羊地帯,さらに内陸の粗放的牧羊地帯へと推移する。人口の大半が海岸部,とくにシドニー,ニューカスルウランゴングの三大都市圏に集中している。人口,経済活動規模の点でこの国最大の州である。ニューカスルおよびウランゴングの鉄鋼業をはじめ金属・機械・化学工業が発達し,州の工業生産額は全国の4割に達する。農牧業における小麦と羊毛鉱業における石炭,鉛・亜鉛も全国的に重要である。主要輸出品は石炭,羊毛,鉄鋼,小麦などで,日本がそれらの最大の輸出先である。

 1770年にクックが大陸東岸の領有を宣言するとともにニュー・サウス・ウェールズと命名,86年に東経135°以東の全域が正式にニュー・サウス・ウェールズ植民地となり,その後,他の植民地(現,タスマニア,ビクトリアクイーンズランド)が順次分離して現在の領域に近づいた。88年シドニーが流刑地として入植され,1810年ころから内陸の開拓が進み,55年に自治植民地となった。1901年に連邦結成に伴い州となり,11年に首都設置のため連邦政府直轄地区を分離した。
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世界大百科事典(旧版)内のニューサウスウェールズの言及

【オーストラリア】より

…西斜面はとくにゆるやかで,中央低地に連続する。東部高地の古生層にも西部台地の先カンブリア層に次いで金属鉱床の発達が見られ,またクイーンズランド中部およびニュー・サウス・ウェールズ中部の堆積層には主として古生代末期(二畳紀)に形成されたボーエン炭層およびシドニー炭層が見られる。さらにビクトリア東部の第三紀層では褐炭の埋蔵が知られている。…

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