ネコヤナギ(猫柳)(読み)ネコヤナギ(英語表記)Salix gracilistyla

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネコヤナギ(猫柳)」の意味・わかりやすい解説

ネコヤナギ(猫柳)
ネコヤナギ
Salix gracilistyla

ヤナギ科の落葉低木で,カワヤナギまたはエノコロヤナギともいう。アジアの温帯に広く分布し,日本各地の山地渓流水辺平地川岸などに生え,人家の庭にも植えられている。高さ 2mほどで,根もとから多数分枝する。葉は長楕円形ないし披針形で,縁に微細な鋸歯がある。新葉には初め絹毛が密生するが,のちに上面は無毛となり,下面は絹毛が残って灰白色を帯びる。雌雄異株早春に,新葉より先に尾状花序をなして,多数の無花被の小花をつける。花序には白銀色の絹毛が密生して美しいため,生け花に用いる。雄花はおしべ1本で基部に蜜腺が1個あり,雌花もめしべ1本と蜜腺1個から成る。本種は日本に自生するヤナギのなかで,最も早く開花する。

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