ネルチンスク(英語表記)Nerchinsk

デジタル大辞泉 「ネルチンスク」の意味・読み・例文・類語

ネルチンスク(Nerchinsk/Нерчинск)

ロシア連邦東シベリアにある工業都市アムール川支流シルカ川に注ぐネルチャ川東岸に位置し、シベリア鉄道とも連絡。1689年にロシアと清国の間でネルチンスク条約が締結された地。

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精選版 日本国語大辞典 「ネルチンスク」の意味・読み・例文・類語

ネルチンスク

(Njerčinsk) ロシア東南部の都市チタ東方、アムール川支流シルカ川に注ぐネルチャ川の東岸にあり、一七世紀中期に要塞として建設された。のちロシア政府の流刑地となる。ネルチンスク条約締結の地。

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改訂新版 世界大百科事典 「ネルチンスク」の意味・わかりやすい解説

ネルチンスク
Nerchinsk

ロシア連邦南東部,チタ州にある小都市。人口1万6900(1991)。アムール川の支流ネルチャ川の左岸,チタの東方305kmに位置する。電気機械,リキュールの工場と食肉・缶詰コンビナートがある。機械化農業と獣医の教育機関,地方博物館もある。1654年にエニセイ軍管区司令官A.パシコフによりネルチンスク城塞が建設され,89年にここで清国との間のネルチンスク条約が結ばれた。この条約で画定された国境線はその後璦琿(あいぐん)条約(1858),北京条約(1860)によって変更され,今日なお中国・ロシア間の国境問題討議の対象となっている。1851年以降ザバイカル地方の軍管区城塞となり,またロシア帝国の政治犯シベリアにおける主要な流刑地ともなった。最初の流刑者はデカブリスト(1826-28),ついでポーランドの十一月蜂起の参加者(1830-31)である。さらにM.V.ペトラシェフスキーチェルヌイシェフスキーなど枚挙にいとまがない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネルチンスク」の意味・わかりやすい解説

ネルチンスク
Nerchinsk

ロシア中東部,東シベリア南部,ザバイカリスキー地方の都市。チタの東約 200kmにあり,シルカ川への合流点に近いネルチャ川に臨む。1654年ロシアの要塞が築かれたことに始まり,1689年ネルチンスク条約締結後,ロシアととの交易の中継地として繁栄。その後西方のチタが興隆し,またシベリア横断鉄道が市をはずれ南方を通って敷設されたため,しだいに衰退。電気機器,食肉加工などの工場,郷土博物館がある。シベリア鉄道のプリースコブイ駅から支線が通じる。人口 1万5748 (2002) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネルチンスク」の意味・わかりやすい解説

ネルチンスク
ねるちんすく
Нерчинск/Nerchinsk

ロシア連邦中部、チタ州の都市。アムール川の上流シルカ川に支流ネルチャ川が流入する地点より7キロメートル上流の、ネルチャ川左岸にある。人口1万7000(1993)。シベリア鉄道とは約7キロメートルの支線で連絡する。電気機械、酒類醸造、精肉などの工業がある。1654年に柵(さく)(要塞(ようさい))として建設、89年ロシア―清(しん)国間に結ばれたネルチンスク条約の締結地。1696年に市となった。帝政時代には政治犯の流刑地。

[三上正利]

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百科事典マイペディア 「ネルチンスク」の意味・わかりやすい解説

ネルチンスク

ロシア南東部,東部シベリアの都市。ネルチャ川とシルカ川との合流点に近く,食品加工,機械修理などの工業が行われる。1654年建設。1689年,ロシア・清国間のネルチンスク条約の締結地。18世紀以後,政治犯の流刑地として有名。1万7000人(1989)。

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