ノルデンショルド(読み)Nordenskio¨ld,Adolf Erik

朝日日本歴史人物事典 「ノルデンショルド」の解説

ノルデンショルド

没年:1901.8.12(1901.8.12)
生年:1832.11.18
明治期に来日した探検家,鉱物学者,古地図研究家。フィンランド鉱山局長を父としてヘルシンキに生まれ,同地の大学を卒業。ロシア的体制を批判し,公職追放に遭い,スウェーデンに移り,1858年から死去までストックホルム国立自然史博物館教授スピッツベルゲン,グリーンランドなどの探検に従事したが,その名を世界的にしたのは,1878~80年のヴェガ号による北極海航行で,帰途の明治12(1879)年に約2カ月日本に滞在し,書籍,資料を収集した。和書1082種はストックホルム王立図書館,西洋古地図約2万4000点はヘルシンキ大学図書館に所蔵されている(目録刊行済み)。<著作>《Facsimile Atlas》(1889),《Periplus》(1897),《The Voyage of the Vega around Asia and Europe》(1881,邦訳1988)<参考文献>E.Ha¨kli 《A.E.Nordenskio¨ld: A Scientist and his Library》(1990)

(海野一隆)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノルデンショルド」の意味・わかりやすい解説

ノルデンショルド
Nordenskiold, Adolf Erik, Baron

[生]1832.11.18. フィンランド,ヘルシンキ
[没]1901.8.12. スウェーデン,ダルビエ
スウェーデンの地質学者,鉱物学者,北極探検家。フルネーム Nils Adolf Erik, Baron Nordenskiold。ヘルシンキ大学卒業。1858年スウェーデン国立博物館鉱物部門主事。4回にわたるスバールバル諸島スピッツベルゲン島探検に参加,ノースイーストランドの海氷横断,グリーンランド東南海岸の大海氷を初めて突破。1878年北緯 81°42′のチェリュスキン岬に到達し,翌 1879年アラスカに達して,初めて北東航路走破に成功した。スウェーデン・アカデミー会員。(→北極探検

ノルデンショルド
Nordenskiöld, (Nils) Erland (Herbert)

[生]1877.7.19. ストローム
[没]1932.7.5. ストックホルム
スウェーデンの民族学者。 A. E.ノルデンショルドの子。ラテンアメリカ研究の先駆者として活躍した。若い頃から探検に興味をいだき,1899年に南アメリカのフエゴ島パタゴニアの現地調査を行い,1904~05年にペルーボリビアで考古学的調査を行なった。 06年からストックホルムの国立博物館とエーテボリの博物館で民族学の研究を続け,24年エーテボリ大学の教授に就任,民族学を講じた。主著に"Comparative Ethnographical Studies" (10巻,1918~38) がある。

ノルデンショルド
Nordenskiöld, (Nils) Otto (Gustaf)

[生]1869.12.6. スモーランド
[没]1928.6.2. エーテボリ
スウェーデンの探検家,地質学者。ウプサラ大学,のちにエーテボリ大学教授。 A. E.ノルデンショルドの甥。パタゴニア (1895~97) ,アラスカ (98) ,南極 (1901~03) などを探検,調査した。

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