ノース・ダコタ(読み)のーすだこた(英語表記)North Dakota

翻訳|North Dakota

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノース・ダコタ」の意味・わかりやすい解説

ノース・ダコタ
のーすだこた
North Dakota

アメリカ合衆国北西部の州。北アメリカの中央に位置する。面積18万3102平方キロメートル(うちランドエリア17万8637平方キロメートル)、人口64万2200(2000)。州都ビズマーク。「ダコタ」はスー人の言語で「友人」の意。東をミネソタ州、西をモンタナ州、南をサウス・ダコタ州、そして北をカナダと接し、東境をレッド川、西から東、さらに南東に向かってミズーリ川が流れる。州土の東部域は豊かな黒土質の中央低地で、西部域はグレート・プレーンズが広がる。気候は、気温差の激しい大陸性気候を呈す。州土の90%が農地という全米第一の農業州であり、農業は州経済の大黒柱となっている。全米第3位の小麦の生産高を誇り、大麦ライムギなどの穀物のほか、ウシ、ブタ、ヒツジなどの畜産が盛ん。また、石油、天然ガス石炭など合衆国でも有数の天然資源の宝庫で、鉱業は農業に次いで重要な地位を占めている。また、業種は限られるが、近年工業の発達が急テンポで進んでおり、食品加工や農機器工業の進出が目覚ましい

 サウス・ダコタ州と多くを分け合う同州の歴史は、1738年のフランス人による探検に始まり、イギリスがそれに続く。1803年のルイジアナ購入で州北西部を、18年にはイギリスから南東部域を取得し、1812年に最初の町ペンビナが建設された。1861年にダコタ・テリトリーが結成されたが、89年には、ノース・ダコタが第39番目の、サウス・ダコタが第40番目の州にそれぞれ昇格した。州内には、カナダまで広がる国際平和公園、T・ルーズベルト国立記念公園をはじめ、数多くの史跡が残され、スレード、ロストウッド両動物保護区など自然も豊かで、狩猟、釣りのメッカとしても多くの行楽客を集める。ビズマークのほか、ファーゴ、グランド・フォークス、マイノットが主要都市としてあげられるが、人口密度が低く、最大都市のファーゴでも人口は9万1000ほどと大都市は少ない。

[作野和世]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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