日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハイデラバード(パキスタン)
はいでらばーど
Hyderabad
パキスタン南部、インダス川東岸に面する都市。1950年にカラチにかわりシンド州の州都となる。人口115万1274(1998)、173万2693(2017センサス)。乾燥地帯に位置するが、周辺はインダス川から延びる大用水路網によって灌漑(かんがい)されるため、米、綿花の産が多い。それらを集散するとともに、紡績、セメント、金属などの近代工業が立地する。また宝石加工や刺しゅうなどの伝統工業でも知られる。インドのラージャスターン地方に至る陸上交通路とインダス川を経由する水上交通との接点として栄え、1843年のイギリスによる征服まで存続した旧シンド王国の首都でもあった。市街は、当時の城砦(じょうさい)を取り囲む旧市街と、その西に広がる新市街とに分かれる。
[応地利明]