ハドソン(William Henry Hudson)(読み)はどそん(英語表記)William Henry Hudson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ハドソン(William Henry Hudson)
はどそん
William Henry Hudson
(1841―1922)

イギリスの小説家、博物学者。アルゼンチンのブエノス・アイレスに近いラ・プラタで、アメリカ人家庭に生まれる。1869年イギリスに移住し、1900年に帰化したが、晩年まで貧困で孤独な生活を送る。子供のころから自然の観察に興味をもち、著作には『ラ・プラタの博物学者』(1892)など鳥の生態を描いたものが多い。『羊飼いの生活』(1910)は一人の羊飼いを中心に人間と動物とが一体となって暮らすイギリスの田園生活を描いた傑作である。作家として名声を確立した作品は、南アメリカの森林を舞台に、幻想的少女リーマの恋物語を配した活劇的ロマンス『緑の館(やかた)』(1904)であろう。南アメリカでの少年時代は『はるかな国、遠い昔』(1918)に詳しい。

[前川祐一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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