ハラー(Karl Ludwig von Haller)(読み)はらー(英語表記)Karl Ludwig von Haller

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ハラー(Karl Ludwig von Haller)
はらー
Karl Ludwig von Haller
(1768―1854)

スイスの政治家、政治思想家。ベルンの都市貴族出身で1806年にベルン大学教授となり、1814年にベルン国大評議会議員となる。1820年カトリックに改宗したためにベルンを追われ、フランスで政論家として活躍するが、七月革命後スイスのゾルトゥルンに戻り、研究と著作活動を行う。彼は主著『国家学の復興』Restauration der Staatswissenschaft6巻(1816~1825)で近代自然法思想を歴史的にみて誤っていると批判し、宗教的基礎のうえにたつ中世の封建的領主国家を理想とする等族的家産国家論を「強者権利」論で弁護した。彼の主張は反動期の復興的保守主義理論としてプロイセンのユンカー層に支持された。

[安 世舟]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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