日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハワード(Robert E. Howard)
はわーど
Robert E. Howard
(1906―1936)
アメリカの小説家。1924年、18歳の高校生のとき、怪奇小説の専門誌『ウィアード・テールズ』に処女作を発表。以降12年間に同誌を中心にして約200編の中短編の怪奇冒険小説を書きまくり、母親が不治の病にかかったことを知るやピストル自殺を遂げて30年の短い生涯を終えた。その作品は雑誌連載のまま忘れ去られるかにみえたが、50年代になって陸続として単行本化されて爆発的なブームを引き起こした。なかでも、1万2000年前の地球のハイボリア時代(架空)を背景に冒険と放浪の旅を続ける英雄コナンを描いた『コナン・シリーズ』が人気の焦点であり、剣と魔法が鮮烈に彩るこの古代英雄譚(たん)は、ヒロイック・ファンタジーという名称で一般的な怪奇小説とは区別されている。没後出版された唯一の長編SFに『魔境惑星アルムリック』(1939)がある。
[厚木 淳]
『中村能三訳『魔境惑星アルムリック』(ハヤカワ文庫)』
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