ハンコ(読み)はんこ(英語表記)Hanko

デジタル大辞泉 「ハンコ」の意味・読み・例文・類語

ハンコ(Hanko)

フィンランド南部の都市ヘルシンキ南西約120キロメートル、バルト海フィンランド湾口に突出するハンコ半島に位置する。同国最南端。スウェーデン語名ハンゲ。中世より不凍港として知られ、1940年から44年まで旧ソ連が租借して海軍基地を置いた。保養地として有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンコ」の意味・わかりやすい解説

ハンコ
はんこ
Hanko

フィンランド南部の港湾都市。スウェーデン語名ハンギョーHangö。長大な端堆石(たんたいせき)丘であるサルパウスセルカが、フィンランド湾に沈む所に延びた半島先端に立地する。人口1万0008(2001)。冬季も凍結せずに利用可能な年が多いために、季節港湾として発展したが、砕氷船が発達して沿岸各湾がほぼ通年利用可能となったため衰退した。周辺は海浜保養地となっている。第一次ソビエト・フィンランド戦争後の1940年から44年まで、ソ連が海軍基地として租借したが、第二次ソビエト・フィンランド戦争後の44年からは、東の同じような半島上の港市ポルッカラPorkkalaに租借地を変更、56年同市はフィンランドに返された。

[塚田秀雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「ハンコ」の意味・わかりやすい解説

ハンコ
Hanko

フィンランド南部,フィンランド湾頭に位置する港湾都市。人口1万2100(1981)。スウェーデン語を母語とする人が半数以上いる。市内にフィンランド本土の最南端部(北緯59°48′30″)があり,野鳥の保護区域となっている。中世初期から港町だったが,1873年鉄道が開通し,ほぼ同時に現在の港が完成し,港湾都市としてさらに発展した。現在のような強力な砕氷船が出現する以前は,国内で冬でも使用できる唯一の港だった。町を取り巻く美しい砂浜のゆえに,特に夏に多くなる観光客も,町の経済を支える一因になっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンコ」の意味・わかりやすい解説

ハンコ
Hanko

スウェーデン語ではハンゲ Hangö。フィンランド南部,ウーシマー県の港湾都市。冬季不凍港。ヘルシンキの西約 130km,バルト海にのぞみ,同国最南端に位置する。 1874年創設され,1940年軍港としてソ連に割譲されたが,41年フィンランド=ドイツ連合軍に占領された。第2次世界大戦後,ソ連はポッカラ半島と交換領有権を放棄した。ニシン漁が盛んで,バター木材パルプなどを産する。人口約1万。

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