ハンセン(Alvin Harvey Hansen)(読み)はんせん(英語表記)Alvin Harvey Hansen

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハンセン(Alvin Harvey Hansen)
はんせん
Alvin Harvey Hansen
(1887―1975)

アメリカのケインズ派経済学者。1915年ウィスコンシン大学を卒業、ブラウン大学講師、ミネソタ大学教授を経て、1937年以降ハーバード大学リッタワー行政学院教授。そのかたわら、政府の経済顧問としても業績を残し、さらに1938年にはアメリカ経済学会会長を務めた。当初、景気理論に関心をもっていたが、ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936)の影響を受けて、アメリカにおけるケインズ学派の中心的役割を果たした。第二次世界大戦前は、先進資本主義国における不況を長期停滞論として説明づけ、民間部門と公共部門からなるいわゆる二重経済の必要性を強調し、ニューディール政策の理論的基礎を与えた。戦後は、ケインズ政策の有効性が広く受け入れられるようになったことから、教育施設などへの公共投資による福祉国家への道が課題であると考えた。ケインズ理論の普及に努めるとともに、サミュエルソンPaul A.Samuelson(1915―2009)やトービンJames Tobin(1918―2002)など後のノーベル経済学賞受賞者をも育てた。『財政政策景気循環Fiscal Policy and Business Cycles(1941)などの著作がある。

[中村達也]

『都留重人訳『財政政策と景気循環』(1950・日本評論社)』『小原敬士訳『経済政策と完全雇用』(1949・好学社)』『大石泰彦訳『ケインズ経済学入門』(1961・創元社)』『小原敬士・伊東政吉訳『アメリカの経済』(1959・東洋経済新報社)』

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