ハンバーストーンとサンタ-ラウラ硝石工場群(読み)ハンバーストーンとサンタラウラしょうせきこうじょうぐん

世界遺産詳解 の解説

ハンバーストーンとサンタラウラしょうせきこうじょうぐん【ハンバーストーンとサンタ-ラウラ硝石工場群】

2005年に登録された世界遺産(文化遺産)。チリ北部のアタカマ砂漠縁辺部、タラパカ州の州都イキケ東方にある旧硝石工場群。この一帯は硝石が産出するため19世紀後半から多くの硝石工場が建設され、200以上の硝石工場が出現した。硝石は火薬化学肥料原料になる重要な鉱物資源で、アメリカからヨーロッパまで世界中に輸出された。町は好景気で賑わい、ヨーロッパ風の洒落た建物が建ち並んだ。しかし、20世紀初頭に合成硝酸が登場すると勢いは衰え、1950年代半ばに鉱山閉鎖、人々は町を去っていきゴーストタウンとなった。ハンバーストーンは当時の面影を残しており、1970年頃から史跡として観光開発され多くの人が訪れるようになった。この鉱山町に集まった人々が築いた文化、産出された硝石の世界への貢献などが評価され、世界遺産に登録された。同時に、建物が脆弱な木造であるという構造上の問題や地震の影響などから、危機遺産リストにも登録された。◇英名はHumberstone and Santa Laura Saltpeter Works

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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